静岡県の温泉地と言えば伊豆や熱海が有名だが、私の推しは静岡市の梅ヶ島温泉郷。周囲に観光地はなく、市街地から車で1時間ほどの山奥。秘湯が好きな人にもおすすめ。
トロトロの美肌の湯に浸かったあとは1週間は肌がすべすべ。
大野木荘さんに泊まるのは今回で3度目。梅ヶ島温泉郷では他にもいくつかの宿に泊まったことがあるが、ここが一番お気に入りの宿。
▶梅ケ島コンヤ温泉 大野木荘 詳細
宿泊先 :梅ケ島コンヤ温泉 大野木荘
宿泊日 :2022年12月(金曜日)
チェックイン:14:30~/チェックアウト:~10:30
宿泊した部屋:ひのき(21畳和室)※ご厚意によりアップグレード
交通手段 :自家用車 ※静岡駅より送迎あり(要予約)
宿泊人数 :私(3回目)、母(2回目)、妹(初回)
バリアフリー:階段、貸切風呂に手すり有、食事処は畳に椅子
※膝靭帯再建手術後で松葉杖での訪問。今後の宿泊レポにはバリアフリーの詳細も記録していく
合計料金 :70,950 円(税込)
クーポン利用 :18,547円
差引支払金額 :52,403円(税込)
一人当たりの宿泊費:17,467円(税込)
▶公式サイト
▶Googlemap
▶お部屋詳細
前回は静岡駅からの送迎をお願いしたが今回は妹に運転させて到着。
片松葉杖だったので、館内に上がる前に持参した除菌シートで松葉杖を拭いていたところご主人が雑巾を持ってきて拭いてくださった。
今回は21畳の「ひのき」のお部屋。本当はもっと狭い部屋を予約していたが、ご主人のご厚意で広い部屋にアップグレードしてくださったようだ。
このあたりは山間部で特に冷えるので炬燵がありがたい。広縁にハンモックがあるのも有難い。残念ながら今の足の状態では座れないが…。
左の洗面台には化粧水や乳液、ドライヤーあり。これだけ揃っていればスキンケア用品は手ぶらでも大丈夫。というよりも温泉が化粧水のようなものなので源泉を浴びればスキンケアは完了。
炬燵のある部屋と寝室はロールスクリーンで仕切れるようになっている。
布団ではなく厚いマットレスだった。足が不自由な方も寝起きしやすい。
途中の道の駅で購入したきんつば。ここでこれを買うのも毎回恒例になった。
▶4つの貸切風呂
ここには4つのお風呂があり全て部屋ごとの貸切風呂で利用できる。(男女別の大浴場はなし)
コロナ禍には多くの温泉宿が大浴場を取りやめ貸切風呂にしたり利用人数制限をしており、一人でゆっくりしたい私にとってとても有難くいろんな温泉宿を巡りお気に入りの宿も増えた。しかし今では通常営業に戻ってしまい、再訪は絶望的。ここは元から貸切風呂のみなので今後も通いたい。
最初に入ったのは4つの中で一番好きな風の湯。2~3人で丁度いい広さ。屋根がないので夜は星を見ながら入ることができる。
画面左側のちょろちょろ注がれているものは源泉。梅ケ島コンヤ温泉は31.4℃と低いので加温+循環併用。しかしなんとなくここのお風呂は他と比べてトロミが強いので、一番濃い気がする。
柵の向こうには道路があるがほぼ車は通らない。
梅ヶ島温泉は切り傷にも効くようで、術後一ヶ月で少々炎症が残っていた切開部の痛みが軽減し、赤みが引いていた。
シャワーと脱衣所は外なので真冬は注意。
月の湯は一番温度が低いので長湯に最適とのこと。温度が低いということは源泉の投入量が一番多いのかもしれない。(次回確認!)
鳥の湯は月の湯と似たような作り。夜だとわかりにくいが窓の向こうは坪庭のようになっているので陽が出ている時の入浴がオススメ。
4つの中で一番大きな花の湯。綺麗に手入れされた庭園を眺めながら入浴できるのでここも陽が出ている時に入るのがいい。シャワーは外にあるので冬は注意。脱衣所は屋内にある。
▶猪鍋が絶品!待ちに待った夕食
いよいよ夕食がスタート。畳の部屋にテーブルと椅子。隣とはパーテーションで仕切られているので声は少し聞こえてしまう。
壁にTVが掛かっていて、芸能人やTV放送されたときのスライドが流れているがもう5年近くTVを見ていない私には残念ながらほぼ誰かわからなかった...。妹曰く、有名な方々らしい。
前菜のお刺身は縁起のいい鯛のお皿に乗っている。前々回と前回はここに山女魚の塩辛(岩魚だったかも)があった。これが絶品で今回も出てくるかと期待していたが残念ながらなかった。季節によるものなのかもしれない。
それぞれの小鉢の色合いや形も可愛らしく、目でも楽しめる料理。写真奥の山葵は一本丸々出てくる。
ご主人の料理の説明も丁寧で、近所の〇〇から仕入れた等の情報も教えてくれるので帰りに寄っていくこともできる。
メインは駿河軍鶏と九州産猪鍋から選べる。前回は駿河軍鶏だったので今回は猪鍋。
ジビエというと嫌がる人も多いがこれはぜひ食べてほしい。私はジビエが好きで猪もたまに食べるが、間違いなくここが一番美味しい。ここまではっきりと赤身と脂身で分かれているのを見ると、うっ!と思う方もいるかもしれない。しかしこの脂身が旨味の塊で良質な猪である証拠。猪は脂身が命とのこと。すり立ての山葵をたっぷり入れて食べる。最初は猪も山葵も嫌がっていた母だが、たくさんおかわりして最後には脂身の取り合いになった。(しかも山葵を持ち帰ろうとしていた...)
スープ上部には脂の層ができている。くどいように見えて意外にあっさりしている。
追加注文の山葵パスタ。これも毎回の定番になった。朝食時に頼むこともできる。バターと山葵がこんなに合うとは思わなかった。これも必ず食べてほしい一品。
山女魚の塩焼き。ふっくらジューシー。
静岡産黒毛和牛の鉄板焼き。サシが多くとろける。
和牛なので軽く炙る程度が好き。山葵と塩でいただく。しかし筋切りがされておらず嚙み切れなくて丸のみすることになってしまった。これは改善していただけるとありがたい。
左は肉厚の椎茸、緑のものは大葉ではなく山葵の葉。塩と山葵で食べる。
〆の雑炊。この時点ではかなり満腹だが、美味しいので少しも残したくない。完食。
干し柿とクリームチーズの天ぷらにアイスが2種類。最後まで期待を裏切らない料理だった。
▶夕食以上にボリュームたっぷりの朝食
夕食はもちろんだが、朝食も素晴らしい。3つのお皿の真ん中は酢の物だが甘みが強くとても美味しい。お酢の酸味はあまり得意ではないのだが、初めて美味しいと思える酢の物で毎回の楽しみになった。
肉厚の椎茸、奥に見えるのは厚揚げ。これらは前回・前々回も出ており楽しみにしていた。塩で食べるとさらに美味しい。
山の中の宿だがまぐろが出てきた。これは反則だろう。満腹だったがご飯をおかわりして丼にしていただいた。
なめこと玉ねぎの味噌汁。
以前はおでんだったが湯豆腐に変わっていた。お豆腐だけでなく白身魚も入っている。昨日から食べ過ぎている胃腸に優しい味。
しかし個人的には以前のおでんに軍配が上がる。静岡育ち(静岡産ブランド牛)で出汁をとったおでんは絶品だった。
泳いでいるように波打つ鮎の塩焼き。
デザートは2種類。ヨーグルトと…
季節のフルーツとイチジクのコンポート。夕食・朝食ともにすべてにこだわりを感じられる素晴らしいものだった。
このあとまた何度か温泉に入り、帰宅。
▶まとめ
・チェックインが14:30、チェックアウトは10:30なので一般的な宿より1時間くらい長く滞在できる。10:00チェックアウトの宿だと朝食後ギリギリまでお風呂に入り髪を乾かす時間もないまま帰宅、なんてこともよくある。ゆっくり出来るのはとてもいい。
・残念ながら現在一人旅プランはなし
・ご主人がお喋り好きなので旅先でのコミュニケーションが好きな方に特におすすめ
・最近はインバウンドにも力を入れているようなので、気になる方は外国人で混雑する前に訪問すべし
・山奥なので電波は少ないがWifiがあるので通信は安定
・前回の食事会場は個室だったが今回の食事会場はパーテーションで区切られていたため、他のお客さんにも配慮したいところ
・コロナ禍で多くの宿が値上した中、ここも例外ではないため頻繁には行けなくなってしまったがまた再訪したいと思う